2SA70
FM帯高周波用ゲルマニウムトランジスタ 松下 2SA70
フィリップス社から技術供与された独自の合金拡散法を用い、当時としては格段の遮断周波数70MHzという高性能を誇った石です。
ちょっと小太りの古めかしい筐体にノスタルジーを覚える方もおられるのでは?
ソノ筋の方が実験したところ2段アンプで、終段は6パラにしたところ、21MHzにて出力150mW(1mWドライブ入力時)出たそうです。
ちなみに特性はそのままで筐体をサイズダウンしたのが2SA341です。
【諸元】
製造元:松下電器産業株式会社
構 造:ゲルマニウムPNP合金拡散型
【最大定格】
コレクタ・ベース間電圧:−20V
コレクタ電流 :−10mA
コレクタ損失 :100mW
《AD(合金拡散)型トランジスタの特徴》
1)遮断周波数が高い
合金拡散ベース巾の不純物濃度勾配により、ベース内のドリフト、フィールドが強く、しかもベース巾を極めて薄くできるので遮断周波数を高くすることができます。
2)ベース抵抗が低い
合金拡散によって得られたベース巾が、表面拡散層の厚さとは独立に決まるので、性能を落とすことなく表面拡散層を充分厚くすることができ非常に低いベース抵抗が得られます。
3)コレクタ容量(帰還容量)が小さい
AD型では独自のエッチングを行なうことができ、不要のベース領域が完全に除けますので、コレクタ容量が最小限に小さくなります。
4)均一な特性が得られます
合金拡散によってできるベース巾が、エミッタの深さに無関係となりますので一般的な特性が均一化されます。
画像及び本文:klx_111様